【 や行 】
やにつぼ~溶剤ステイン

(やにつぼ)
トウヒ、アカマツ、カラマツなどの材に間隙部に樹脂が堆積したものです。

(ヤング率)
バネ等には軟らかいバネと硬いバネがあるように、材料にも軟らかい材料と硬い材料があります。その程度を表すのがヤング率です。物体に垂直に力が掛かった時、応力とひずみが比例する場合にひずみに対する応力の比で表します。

(ゆず肌)
オレンジピールとも言い、塗装表面がゆずや夏みかんの表皮のような凹凸の状態になることを言います。最も生じやすい原因は高濃度の塗料を吹き付けたことによります。スプレー塗装によって付着した粒子の流動性が悪くなり、平坦化 (レべリング) 不足になったからです。ニトロセルロースラッカーではシンナーの揮発が早すぎる事、塗料を十分に溶解できないシンナーの使用、スプレーガンの吹付け距離が遠すぎる事などによって生じます。

(油性エナメル塗料)
油性エナメル塗料は油性ワニスと有色顔料を練り合わせたもので、建築内装や玩具、育児家具などにも利用されます。又、油性目止め剤の結合剤や着色剤として利用する場合もあります。油性エナメル塗料の性質は、油性ワニスの性質に依存し、光沢が良くはけ目が生じにくく、作業性が良いです。耐水・耐熱・耐ュ性が良いですが、耐光性と屈曲性に欠けます。アコギ塗装にはあまり使われません。

(油性ステイン)
オイルステインとも呼ばれ、ミネラルスピリット、テレピンなどの石油系溶剤で染料を溶かしたものに、ゴールドサイズ、ボイル油などが入っているものを言います。けばを起こさずに素地を固め、浸透性も良く、上塗り塗料の吸収も少ないです。反面、色あせや有機溶剤系塗料によるブリードが起こりやすいです。着色はスプレーやハケで行い、塗布後は素地に十分浸透させて余分なものはウエスで拭き取ります。乾燥が遅く十分に乾燥してから塗料を塗布しないと付着障害を生じることがあります。

(油性調合ペイント)
油性調合ペイントは乾燥剤を添加したボイル油に有色顔料を練り合わせた不透明塗料で、塗膜形成主要素はボイル油のみで樹脂成分を含有しない。作業性、密着性、耐候性、耐衝撃性に優れ、肉持ちが良いが乾燥が遅いです。主に木部・鉄部建築内外装の塗料として用いられ、主としてハケやローラにより塗布します。粘度調整用の希釈剤にはボイル油又は塗料用シンナーが用いられます。アコギの塗装にもオイルフィニッシュの方法で使用します。

(油性塗料)
油は油脂100gに付加したヨウ素のg数 (ヨウ素価) によって次のように分類され、ヨウ素価が高い油ほど酸化重合しやすく、乾燥が速いです。
① 乾性油 ヨウ素価130以上 しな桐油/あまに油/脱水ひまし油/えの油
② 半乾性油 ヨウ素価100~130 大豆油/サフラワー油/綿実油
③ 不乾性油 ヨウ素価100以下 オリーブ油/ひまし油/やし油

油性塗料にはボイル油、油性調合ペイント、油性ワニス、油性エナメルがあります。これらの塗料は乾性油を主成分とし、油が空気中の酸素と反応して酸化重合を起こして橋かけ塗膜を形成する1液性塗料です。一般に油性塗料は乾燥が早いですが、ハケ塗り時に塗料の伸びが良く、はけ目も残らず作業性は合成樹脂塗料に比べはるかに良いです。さらに塗装時の固形分が高いので吸い込みのある木材塗装には適しています。手工アコギ塗装にはこの乾性油を使った塗装が適しています。

(油性ワニス)
油性ワニスは天然樹脂 (コ―パル、ロジンなど) や加工樹脂 (エステルガム、マレイン酸樹脂など) と乾性油を加熱融合して重合させ、これに乾燥剤を添加し、ミネラルスピリットなどの溶剤に溶解した透明塗料です。油性ワニスは油長 (油の量の多さ) でゴールドサイズ (短油性)、コ―パルワニス (中油性) 、スパーワニス (長油性) に分類されます。塗装は主としてハケで行い、塗料用シンナーやミネラルスピリットなどで希釈して塗布します。塗膜の光沢は合成樹脂塗料に比べて良いです。過度の厚塗りは上乾きとなり塗膜縮みになり、乾燥が遅いのでホコリが付着しないように養生する必要があります。又、塗布後にウエスで拭き取り、オイルフィニッシュ風仕上げに用いることがあります。アコギ塗装には適度な艶がでますので、使いやすい塗料です。

(油溶性薬剤)
主に石油系の有機溶媒に溶かして使用する薬剤のことです。

(溶剤ステイン)
一般に万能ステインと言われていて、溶媒にアルコールを含みません。素地着色に用いる場合、次に塗る塗料の溶剤でブリードを生じやすいです。ブリード防止には色押さえシ―ラ―を塗装すると良いです。塗膜着色用の着色剤としてニトロセルロースラッカー、酸硬化アミノアルキド樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料に混合して用います。混合量は透明性、付着性から5%以内とし、ガラス板などに塗布して色調を調整します。又、合成樹脂系の目止め剤に混合して着色目止め剤として使うこともあります。塗膜着色はスプレー塗りで行いますが、塗料粘度を低くしたほうが目はじきになりません。しかし、シンナーでの過度の希釈ははじきの原因となり、まだら模様になるので注意します。