リペア実績 #0127

Gibson B-25

表板膨らみ補修、ブリッジはがれ補修他
岐阜県

1964年製で小ぶりなギターです。特徴としてはブリッジがブラスチック製であることです。ビスで固定されているので剥がれることはありません。トップ板との接地は木のブリッジと比べると弱い部分があります。

修理内容はトップの膨らみ修正、トップ打痕修理、ブリッジ周りの補修等です。トップの膨らみ修正は既に専用治具での修正が完了していますので打痕修理の作業を行ってゆきます。打痕部分には事前にラッカーを盛って重ねていましたので、周りの塗面と平滑にます。まずは刃返りを付けたカミソリの刃で盛り上がった部分を削り取ります。次にブリッジ周りの修理に入ります。ブリッジを外しましたが、裏からボルトで固定してあるだけなので簡単に外れます。さらに、ブリッジ周りのタッチアップを行います。筆を使いラッカー塗料を塗り重ねてゆきます。又、長年の弦の張力によりプラスチック製ブリッジに割れが発生し、ブリッジの浮きも生じているためブリッジの補強を行います。

切り出したエボニー材を整形し裏面にはめ込みます。プラスチックで埋めることも出来るのですが、音質面を考えて木で補強することにしました。割れや欠け部分も補修します。ブリッジの補強が終わりましたので元通り取付けをし、弦を張って状態を確認しました。補強前はサイド部分の浮きが激しかったのですが補強によって浮きが殆どなくなっています。

敢えてオリジナルブリッジを残したまま症状を改善することができました。ラッカー乾燥後、塗面を平滑にしバフ掛けで艶を出して作業完了です。スモールボディーですが鳴りが良く、セラミックサドル特有の明るい音がとても心地良いギターです。

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