リペア実績 #0143

Gibson LG-0

トップ膨らみ ブリッジ浮き,ブレーシング剥がれ
岐阜県

1959年製の小ぶりなボディのギターです。音に影響する部分に不具合がありましたので、当初の音はビビり音があって良い音とは言えませんでした。ですが、リペア終了後はオールマホらしい締りながらも柔らかい感じの音が復活し、サステインも素晴らしい極上のサウンドが蘇りました。ずっと弾いていたい最高のサウンドでした。

まずは、ブリッジ浮きリペアに着手します。トップとの隙間が大きいため、ブリッジを一旦剥がして再接着します。接着面に残ったニカワをふき取ります。サンディングをして接着面を整えます。トップ接着面を整え、ブリッジの底面をトップのRに合わせて削った後、タイトボンドにて接着を行いました。このまま一晩置いて硬化を待ちます。次にブリッジ接着に続いてブレーシング割れのリペアを行います。亀裂にタイトボンドを流し込み、ジャッキとカムクランプで固定します。

バックブレーシングに浮きが発生している箇所がありましたので、接着を行います。今回、浮きが発生しているバックブレーシングの真上にはトップブレーシングがあり、普段使っているジャッキでは大きくて使えないため、新たにミニサイズのジャッキを作成しました。画像の左が従来品で、右が今回作成したジャッキです。ブレーシングの浮き部分にタイトボンドを流し込んでジャッキアップし、外からもクランピングします。最後に弦高調整を行っていきます。標準よりもやや高いため、サドルを削って弦高が低くなるよう調整します。このギターのサドルはおそらく接着剤を使って接着されており、強い力で引っ張っても外れませんでした。そのため今回はサドル上部を削り、最適な高さにしてゆきます。

弦高調整は、サドルの上面を適切な高さまで削り、頂点を整えて完了です。作業前より弦高が1mm程下がり演奏性が向上しました。

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