リペア実績 #0147

S.yairi YD-308

表板膨らみ補修 象牙ナット交換 打痕補修 サイド再塗装
山口県

往年の名器と言えるヤイリギターです。今回のご依頼はグレードアップとして象牙ナットへの交換、打痕補修、表板膨らみ補修です。まずはじめにトップの膨らみ補正を専用クランプで行い、他のリペアに移ります。次ははトップ打痕修正とナット交換を行います。トップの打痕にはラッカークリアを盛り重ねてゆきます。並行してナット交換も行います。ナットは象牙材で新たに作成します。元付いていたナットを取り外しますと、ナットの底面にはマホガニー材のシムが取り付けられていました。スロットに残った接着剤等は除去してゆきます。クリーニング後のスロットです。この後は象牙材の切り出しを行います。それからナット作成に入ります。ブランクの象牙材を切り出します。鉄工やすりやペーパーで厚みを揃えてゆきます。

今回は、角度付きのナットスロットですのでナットの底面にも角度を付けます。角度がピッタリ合ったらサイドの面取りもします。ナットはサイド部分のサイズを合わせたら、上面を曲面に削ります 。トップの打痕部分には引き続きラッカークリアを重ねてゆきます。弦溝を適切な深さまで切ります。その後サンドペーパーとコンパウンドでナットを磨き、艶を出したら完成です。

引き続きトップの打痕部分にラッカークリアを乗せます。シンナ ーで薄めたラッカークリアを、気泡が入らないよう慎重に塗ってゆきます。タッチアップは引き続きラッカークリアを重ねます。打痕修理ですが、トップの打痕部分に盛り重ねたラッカーを、周りの塗装と平滑になるようサンディングし、最後にコンパウンドで艶を出して作業完了です。打痕部分を完全に見えなくするのは難しいのですが、ある程度まで目立たせなくすることは可能です。

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