リペア実績 #0167

Gibson LG2

トップのヒビ補修 マイク調整
岐阜県

1957年製Gibson LG-2のリペアです。60年近く経っているギターで完全にビンテージと言える風格があります。全体は経年変化であめ色になっています。サウンドは枯れ枯れのビンテージサウンドです。素晴らしいの一言で、状態もこの年代としてはかなり良いと言えます。今回はトップ割れリペア、ピックガード縁の反りによりトップ材が持ち上がり、ブリッジ手前まで割れが発生している部分などを実施します。

割れ部分にタイトボンドを擦り込み、カムクランプで固定します。

割れ目の接着が完了した後は内側に補強用のパッチを接着します。スプルース材でパッチを製作しました。指板サイド側にも割れがありますので同じように補修します。サウンドホール近くのパッチは目立ちにくいよう縁を黒で着色しました。

割れ部分の補強が完了しましたので、表面のタッチアップを行います。

ナットは無漂白の牛骨材で新たに製作しました。次はサイドの割れ補修です。補修にあたって治具と割れ止めを先に製作しておきます。

トップタッチアップ続きです。塗料の乾燥後、タッチアップ部分と周りを平滑にし、表面を磨いて完了です。割れ部分がほとんど目立たなくなりました。音のこもりが気になるとのことで音質調整もご依頼頂きました。ピエゾのコンタクトタイプが1、2弦ピンを後ろ辺りに取付けられていましたが一旦外し、色々な場所に貼ってみて最適な位置を探ります。最終的に6~4弦のピン穴の後ろに取り付けました。ナットやブリッジの弦溝も微調整して完了です。作業前よりも低音弦がはっきり聞こえるようになり、音のバランスが良くなりました。

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