剥がれ補修

separate

主なはがれとしては、ブリッジはがれ、ブレースはがれ、ピックガードはがれ、などがあります。それぞれの箇所のはがれ処理については、共通する注意事項として周辺に新たなキズが発生しないようマスキング等行い慎重に実施します。

接着剤については、今後再修理やはがしが発生しうる箇所にはニカワ又は水性タイトボンドを使用します。今後再修理の必要がない箇所にはエポキシ系ボンドを使用します。必要に応じて色調整も行いながら、修理箇所が出来るだけ目立たないように処理します。

経年変化に依り、ピックガード周辺が縮んで剥がれたり、トップ板が割れたりした場合は、剥がれた箇所に接着剤を付け「当て木」をしてクランピングを行います。1回できれいに全ての箇所が接着出来ない場合は、接着箇所を分けて綺麗に接着が出来るように配慮します。

ボディ内部のブレーシングはがれもよく起こります。ボディを軽く叩いてビビり音があれば、どこかが剥がれているか剝がれかかっている場合が考えられます。この場合の接着はサウンドホールからの処理となり、作業的には少し難易度が上がり、補修箇所を探りながらの作業となる場合が多いです。

接着剤を付ける際にも接着剤がのはみ出しが多くなる場合がありますが、必要に応じてマスキングテープなどでマスキングを施してから実施します。クランプをする場合は専用のクランプを使って接着します。

次の例は「剥がれ」というよりはヒビ割れと言ったほうが良いかもしれませんが、これほど気持ち良く裂けているのも珍しいです。ここまでの状態ですと完全に裂けているのでブリッジの作り直しとなります。

ヒールのはがれは難易度の高い修理です。力がかなり掛かっている部分なので、しっかり接着しないと、再びはがれてしまいます。ボルト等で補強しながらの作業となります。

次はペグ交換やブッシュを外す時に木が持ち上がり、剥がれを起こしたギターです

最後のギターはブリッジが完全に剥がれてしまっています。ブリッジスタイルをピンタイプに変更して再作成となりました

 

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