リペア実績 #0120

Takamine PT-106-6

アバロン貝ロゼッタ入れ ナット交換他
東京都

レアなシングルヘッド仕様のモデルでのタカミネギターです。ブラックの渋いボディがとても印象的でカッコ良いギターです。今回のメインはサウンドホール周りのロゼッタ装飾変更で、現状はストライプですが、ここに約5mmのメキシコ貝を埋めます。入念に寸法等を確認して作業開始です。ギターの印象が大きく変わる部分ですので、作業にも慎重さが求められます。他にはカーボンナットをタスクナットに交換、ペグをゴールド仕様に変更、などです。

まずは黒のピックガード剥がしです。作業方法ですが、ピックガード表面をアイロンで少し温めて接着面を軟化させ、ヘラを差し込んですき間を作り剥がします。

剥がし終え、トップ面に残った両面テープ跡を取り除いた後です。塗装剥がれもなく、綺麗に仕上がりました。次はロゼッタ部分に幅5mmのアバロンを埋め込んでゆきます。まずはロゼッタ中央部分のパフリングを取り除きます。ベニヤで作ったサウンドホール径と同サイズの円盤をセットして、サークルカッターで切れ目を入れます。

アバロンの幅分、パフリングを取り除きます。空いた部分にアバロンを仮置きしてみました。指板エンド付近はアバロンを削って調整します

指板エンド付近にも嵌るようアバロン材を削って調整しました。ここまででアバロンのピースが全て溝に嵌りました。トップよりも僅かにアバロン材の方が厚みがありましたので接着前に裏面を削って厚み調整しておきます次はナット交換を行います。元々取り付けてあったナットはカーボンナットです。

新しくBLACK TUSQでナットを作成します。厚み、高さを揃えたら、元のナットを参考に弦溝の位置を決定します。

ナット交換の次にサドル交換を行っていきます。ナットと同様、USQで作成します。分離ナットのためサドル材を2つに切断し整形します。サドル溝に敷いてあるシールドプレートが若干曲がってましたので修正しておきました。(そのままだと接地不良となるため)

ロゼッタ追加後、塗装に入るための下準備を行います。上に塗膜が乗ることを考え、周りの塗装よりわずかに低くなるようアバロンを削っておきます。追加したロゼッタ部分ですが、すき間を埋めるのと、表面を平滑にするためエポキシを充填します。まずは無水エタノールを付けた綿棒で、アバロン材の汚れを取り除きます。

エポキシを準備し、ヘラで塗ります。エポキシの充填が完了しました。硬化までしばらく待ちます。

ロゼッタ部分のエポキシが完全に硬化しましたので、周りの塗面と平滑にするため、表面の研磨作業を行いました。研磨途中ですが以前と比べるとかなり光沢が出たのが分かります。

純正ペグからゴトーのマグナムロックへの交換を行いました。マグナムロックへ変更することによって、よりチューニングの安定が見込めます。黒→ゴールドになったことで見た目も華やかですね。純正ペグと同サイズのためヘッドへの加工無しで取り付けできました

研磨の際に見つけたピンホールを埋めるため再度エポキシの充填を行いました。硬化を待って、研磨に移ります

エポキシが硬化しましたのでサンディングを行って周りの塗面と平滑にしました。また、クリアを吹き付けるための塗面の足付け作業も行いました。

ロゼッタ周りにウレタンクリアを吹き付けました。塗装面を一度慣らし、再度吹き付けを行います。ウレタンクリアの吹き付けを再度行いました。乾燥を待って表面の磨きに入ります。トップの磨き作業に入りました。#3000までサンディング後、2種類のコンパウンドを使って磨き上げます。

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