リペア実績 #0186

Martin 00028

ネックリセット トップ膨らみ補修 ナット交換 ブリッジプレート補修
東京都

70年代製のMartin 000-28です。弾き込まれて良い雰囲気が出ています。経年変化により弦高がかなり高い状態となっていました。最初に専用治具で圧を掛けてトップ膨らみを矯正します。

続いてストラップピン穴埋めです。このようにヒール横に穴が空いています。ローズ材で木栓を作り、穴に差し込んで接着します。接着剤の硬化後は、はみ出た部分を削り取ってラッカーでタッチアップ(部分補修)します。

続いてブリッジプレート補修です。弦を張った時にボールエンドが食い込んでしまう状態ですので一度ピン穴を塞ぎ、再度開け直します。専用工具を使用してブリッジピン穴周りに窪みを付けます。そしてブリッジプレートと同じローズウッド材から切り出したプラグを準備し、木目方向を揃えて接着します。

続いてネックリセット作業です。このようにヒール部分がやや浮いている状態でした。一度ネックを外し角度を調整してから再接着します。そのあと、スチームを注入してボディからネックを外します。接着面に残った古い接着剤やパテなどを鑿やスクレーパーを使って除去します。次はネック仕込み角度の調整です。鑿ややすりを使って適切な角度に削ります。

ネック角度が決まった後はサンドペーパーでボディとの当たりを調整します。その後はホゾの調整です。効きを良くするため先端部分を接ぎ木し、両サイドに薄板を接着します。シム接着後、ネックがボディにピッタリ嵌るよう、ホゾを少しづつ削って調整します。

ネック角やホゾの調整完了後は、クランプでがっちり固定してネックをボディに接着します。接着完了後、ナットやサドルの取付を行って全ての作業が完了です。

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