ここでは揃えてゆく際のポイントを少し述べてみます。ここで言う道具には、のこぎりやカンナなどギター以外の木工製作にも利用できる一般的なものと、ギター製作の時にしか使用しないものとに大きく分かれます。木工製作に共通の道具は比較的安易に手に入れられますが、ギター専用の道具は市販されているものが限られています。

ある程度のものはショップや通販で手に入れられますが、自分で作らないといけないものもあります。いわゆるジグという類で、製作の前にこれを用意しておく必要があります。ここではギターを作る前に必要なジグの作り方を説明してゆきます。

【本体の型枠】
これは側板を曲げた後、型枠に側板をはめ込んで、しっかり形状を固定するものです。材質としては、木やアルミがあります。手間はかかりますが、この際ですので自分で型枠を作ることにしましょう。ここでまず必要になるのは作ると決めたギターの形の図面です。型枠作成用に用意した図面をもとに作ってゆきます。この図面をさらにコピーして3枚用意しておきます。ここで必要な材料はホームセンターで手に入るものばかりです。

1.
厚さ18mm程度のベニヤ板を6枚用意します。市販で横45mmx縦60mmの大きさの板がありますので、これを使うと便利です。型枠は中心線で左右に分かれる形になりますエンド側に出っ張りを作り、そこに鉄のバーを通して左右の型枠を固定する形になります。

2.
型枠作成用の図面を中心線から正確に切り、左右半分づつにします。そのうちの1枚を板に貼ります。貼り合わせ方は、まず板の端と中心線を合わせ、上にが同じくらいの空きがあるように位置決めします。この空きはあとで左右の型枠を留める部分になります。そして図面をスプレー糊で貼り付けます。

3.
そうしておいて、ネック接合側とエンド側に本体の輪郭から縦40mm、横40mmの出っ張りを鉛筆で描きます。この部分は、型枠の左右を棒で締め付ける時に必要な部分になります。又、本体の輪郭線の外側40mmのところに本体の曲線と同じように線を描きます。この40mmが型枠の幅になります。

4.
ジグソーを使って丁寧に輪郭と出っ張り部分を切ってゆきます。切り方は、描いた線よりも2mm外側を切り、あとで微調整してゆくのが良いでしょう。このようにして、左右各3枚づづ、計6枚を切り出します。上下の出っ張り部分は左右の型枠を合わせると縦40mm、横80mmの長方形になります。

5.
いよいよ3枚づつの貼り合わせに入ります。木工用のボンドを大量に用意し、貼り合せる両面にボンドを十分に付けて、しっかり合わせます。クランプがあればそれを使います。多少のでこぼこは、あとで調整してなめらかにします。外側の角はヤスリで落とし、サンドペーパーでざらつきをなくします。

今後何回も触れるものですので、表面は出来る限り滑らかにしておきましょう。型枠の内側の側板に接する部分は、平面になるように確認しながらヤスリなどで調整してゆきます。

6.
次に出っ張り部分で左右の型枠を固定できるようにします。出っ張り部分に鉄のバーを通す溝を掘ります。溝は手作業か、ルーターか、電動ドリルなどを使ってバーが10mm中に入る程度の深さまで掘ります。バーの直径はは6~8mmぐらいがいいでしょう。バーにはワッシャーをつけてボルトで両方から締め付けて固定します。

【表板・裏板の貼り合わせ台 貼り合わせの接ぎ目の下に置く棒】
厚さ10mm、縦600mm、横600mmの合板を用意し、縦側のはしに8mm四方の押さえ木を固定します。木工用ボンドをつけ、クギを打ち込んで補強します。これで板を置く一方が決まりました。もう片方は、クギを打ち込んで板を止め、2枚の板を両端で固定して、貼り合せるという方法になります。次に幅20mm、厚さ10mm、長さ600mmの棒を作ります。これは板を貼り合せる合わせ目の下側に置く棒となります。クギを打つ時にこの棒を下に置き、接着時にこの棒を抜くという使い方をします。