サドルの素材は安価なものとしてはプラスチックがありますが、中級以上のギターには牛骨材が使われ、さらに最高級のギターには象牙材が使われています。最近ではABSやブラス(真鍮)、カーボン、セラミックなどの新素材も使われるようになっています。
これらの中で「牛骨」は古来より永く使われ続けていて、サドルの基準となる素材としての評価が一番高いです。言わば「サドルの定番」としてまずはその特性を十分理解し、さらに他の素材を試してゆくというのが良いのではないかと思われます。
又、象牙材は最高品質の材として広く知られ、音質的にもギターに非常に適した材として人気があります。ギターを最高の状態に近づけるグレードアップには、この象牙材を使用することが近道と言えます。
一般的に弦楽器が音を奏でるには、弦の振動が必要です。弦を振動させるには、弦を張り、その両端に楽器本体から弦を浮かせるものが必要となります。ナットは、指板(フィンガーボード)の上の端で、弦を乗せる台として使われるパーツです。又、サドルはボディの下部のブリッジ側で、これもまた弦を乗せる台として使われます。
これらのパーツは音色にかなりの影響を及ぼし、硬めの素材を使えばサステインが向上しますが音の広がりは狭くなります。反対に柔らかめの素材では、甘いトーンとなり、音の広がりが向上しますがサステインは抑えられる傾向となります。