経年変化等が原因でギタートップ板が膨れたり、へこんだ状態を修正します。修正の方法はシンプルで、膨れについてはボディ外側から圧力を加え、へこみについてはボディ内側から圧力を加えます。一般的にはブリッジ下に膨れが起こる場合が多く、まれに症状がさらに進んでブリッジとサウンドホール間に「へこみ」が起こります。これらの症状は弦の張力によって起こることが殆どですので、膨れの兆候が見られる場合や、かなり古いギターの場合は、普段から弦を充分緩めておく配慮が必要です。

新品のギターは5年後程度経てから弦を緩めることをおすすめします。一旦トップが膨らんだギターは、修理後、弾かない時は出来る限りテンションを掛けない状態にしておくことを強くおすすめしています。出来ればテンションゼロにするのが望ましいです。

比較的新しいギターの場合、膨らみの改善は早ければ1週間程度からみられますが、一般的には1カ月~半年くらい時間を掛けることが多いです。傾向としては作られて30年くらいまでのギターは改善が早めで効果も高いです。それより古いギターは改善が遅くなり、効果も落ちてきます。膨らみについては早期発見、早期対応が大切です。

戦前ビンテージギターなどは改善に数か月以上掛かる場合もありますが、それでも改善は出来ていますので、完全にフラットな状態には戻らなくても、今の状態より少しでも改善したいという方は是非ご相談くださいませ。