まず始めはブックマッチ (2枚はぎ) の表板を貼りあわせる作業となります。ブックマッチとは一枚の板からさらに薄く、2枚の板を取ることです。イメージ的には食パンを薄くスライスしていく感じです。ブックマッチだと左右対称の木目ができます。さて、ここは薄い板同志の接着ということで、木工作業としては比較的むずかしい工程と言えます。

私はこの工程をちょっと大げさに言えば「魂を入れる」作業と考えています。これからギターを作る最初の難関をクリアーして、製作が進んでゆく「神聖」な工程と言えるかもしれません。今後の沢山の工程を全て遂行する決意を、この工程で新たにして下さい。少し大げさに言い過ぎたかもしれませんね。まあ、肩の力を抜いてリラックスして取り組んでゆきましょう。

まず2枚の板を用意し、貼り合わせる面を決めます。木目が左右対称で、見た目がきれいな方を表側とします。木目はできるだけまっすぐになっている方がきれいに見えるでしょう。表側が決まったら、カンナで貼り合わせる面を削ります。まず片面を削って平面を出してから、もう一枚の板を削ります。

時々接着面を合わせてみて、隙間が全くなくなるまで、調整します。私は始めてこの作業を行った時、5時間ぐらいかかりました。カンナの使い方も下手で、直線や平面がなかなか出せませんでした。カンナは出来る限り、力が均等にかかるように持って動かすのがコツです。木工作業の基本だと思って、焦らず慌てずじっくり取り組みましょう。

貼り合わせる面が整ったら、次は接着です。用意した台の押さえ木に接している状態で、棒を接合面の下に置きます。そうしておいて、押さえ木のもう一方の板の端をクギで打って2枚の板を固定します。この時点で中央の棒を抜きます。次に接着面にタイトボンドかニカワをつけて貼り合わせ、台の上に固定させます。さらに安定させるために、上から接合部分に当て木をしてクランプで固定します。この状態で1日待って貼り合わせ終了となります。当て木には、接着剤が付いてもよいように、トレーシングペーパーを巻いておくと良いでしょう。