■ 作業時間
約2時間

■ 使用用具
デッキ、バー、ニカワ、クランプ、布、水、へら、爪楊枝

■ ポイント
接着時は接着位置がずれないように慎重に行います。接着前にブレースを電子レンジで1分程度「強制乾燥」させます。

4本のブレースを裏板につける作業になります。表板にブレースを接着した時と同じように行います。まず、裏板の内側にブレースをつける位置を鉛筆で描きます。次に裏板をデッキに乗せます。この状態でニカワを裏板とブレースに付け素早く接着します。接着位置にブレースをつけたら、今度はバーをつけて圧着です。

圧着具合を調節するために私は5mm厚で直径が5mmのゴムを50個ぐらい用意しています。圧着が弱い時はこのゴムをはさんで調整します。 バーで圧着ができたら、はみでているニカワをふき取ります。ニカワが固まる前にふき取っておかないと、後で削るのに厄介です。爪楊枝の先に水を含んだ布をつけて素早くふき取ります。

ふき取りが終わったら、1日置いておきます。ブレースの接着が 終わったら、次は継目の補強材をつけます。やり方はブレースの時と同様です。バーの長さをゴムで調整して圧着します。

<「接着剤の種類」について>

ギター製作に使用する主な接着剤の種類を挙げてみます。使い方の区分けは、くっつける物どうしの材質によって異なります。

● ニカワ      木材同士の接着
● 水性タイトボンド 木材同士の接着
● ウレタンゴム系ボンド プラスチック系と木材接着
● エポキシ系    金属と木材の接着

以上、おおまかに分かれます。まず「ニカワ」ですが、音に一番良いと言われている接着剤です。普通は固形状の粒を60℃の湯に溶かして使用しますが、温度管理がむづかしいです。液体状のニカワもありますので、それを使うのも1つの方法です。次は「水性タイトボンド」です。米国フランクリン製のものが使いやすいでしょう。

水性で熱と水には弱いですが、リペアーではがす必要がある時は、熱で容易にはがせます。「ウレタンゴム系ボンド」はプラスチックのバインディングなどを接着 する時に使います。「エポキシ系」は金属のロッドをネックに埋める時などに使います。以上、材質によって使用する接着剤をうまく使い分けしましょう。例外として木材の中でも油脂分が多い材料はニカワやボンドでくっつきにくいものがあるようです。その場合はエポキシ系でしっかり接着します。