■ 作業時間
約12時間

■ 使用用具
ベンディングアイロン、クランプ、当て木、図面、水、水入れ、タオルのこぎり、カンナ、のみ

■ ポイント
時間をかけて少しづつ曲げてゆきます。焦らずあわてず。焦り過ぎると板が割れたり、きれいに曲がりません。最初 は「くびれ」部分からゆっくりゆっくり曲げてゆきます。

次は側板を曲げる工程に入ります。簡単に曲げ方を述べますと、板を濡らして熱を加えながら、ゆっくり板をまげてゆく、ということです。熱の加え方、曲げ方はいろいろな方法がありますが、ここでは一般的な方法で曲げます。最低限必要な用具は、熱を加えるための筒状のアイロンです。ギター用としては「べンディングアイロン」と言います。スチュアートマクドナルドやLMIのインターネット通販で購入できます。

まず準備として、平らな側板を2枚用意し、木目を見て左右どちらの板とするか、内と外はどちらにするか、上下はどちらにするか、などを決めます。それが決まったら、板に「内」「外」「右」「左」などとしるしておき、間違った方向に曲げることがないようにします。側板は曲げる前に水かぬるま湯につけておき、水分を十分含ませ、曲げ易くしておきます。

このようにして、いわゆる板を「蒸す」しながら曲げてゆくことになります。水はすぐに蒸発しますので、たっぷり水分を含ませても問題ありません。水が床に落ちますのでタオルも必要です。板に水を含ませる時は「霧吹き」のようなものを使うと便利です。

「ベンディングアイロン」は作業台にクランプで固定させ、一番高温にしておきます。これで準備は整いました。まずはギターの「くびれ」ている部分から曲げてゆきます。板のどの位置から曲げるかがわかるように、側板にあらかじめ印を付けておきます。曲がったら図面に当ててみて、曲がり方をチェックします。じかに板を触ると熱い時がありますので、当板を当てて、力を加えながらゆっくりと曲げてゆきます。

曲げ始めると水が蒸発する「ジュー」という音がしますが、すぐに音はなくなります。一か所を長時間曲げ続けると、その部分が焦げてきますので、交互にスライドさせるように曲げてゆきます。曲げはシェイプのくびれ部分から曲げてゆきます。他の部分から無造作に曲げてゆくと、くびれ部分の曲げがやりにくくなります。次に力加減ですが、初めのうちは時間をかけてゆっくり曲げます。力を入れ過ぎると板は簡単に割れてしまいますし、力が足りないと曲げるのにかなりの時間が掛かってしまいます。

どのくらい力を入れれば良いかがわかるまでは、ゆっくりと少しづつ曲げてゆきます。端の部分を曲げる時は、手で端を持つのが困難ですので、当て木を使って力を入れやすくします。この作業は曲げる力加減がむずかしい部分と言えるでしょう。時には失敗するかもしれませんね。板が端から「ピシッ!」と割れてしまうかもしれません。しかし、めげずに何度もトライしてクリアーしてゆきましょう。