■ 作業時間
2時間

■ 使用用具
のこぎり、バイス、ヤスリ、きり、定規

■ ポイント
フィンガーボードのアーチ度合い (R=アール)に合わせて成形し、弦の太さに合わせてナットの溝を切り分けます。溝の間隔も慎重に行います。

はやる気持ちを抑えて抑えて次の工程に移ります。まずはペグ穴にペグを取り付けてゆきます。ここで取り付けるのはゴトー製のクルーソンタイプです。ペグを穴にはめ込んで、ネジ位置を決めます。キリか千枚通しなどの先のとんがったものでしるしを付けます。

全部で12のしるしを付けます。付け終わったら5mm程度をキリで開けておき、最後にネジをドライバーで留めます。このネジはあまり硬くないので、強く回し過ぎるとネジ山がつぶれる時があります。キリである程度の大きさまでは開けておきましょう。

次はナットを作ります。ナット幅はネックの幅に合わせて43mmとします。ナットを切る時は出来るだけ薄い刃ののこぎりで、バイスで固定すると切り易くなります。ナット自体は小さいものですので、バイスで固定しないと切りにくいです。ナットとフィンガーボードの接着面もすき間のないようにきっちり作ります。

弦の溝については平均7mm間隔で定規を使ってしるしを付けます。ここでの注意点は弦の太さの分だけ6~4弦側は間隔が狭くなります。慣れるまでは既製のナットの溝をよく観察して、位置決めするのも良いでしょう。シェイクハンド奏法をよく使う人は6弦側に溝の位置を僅かにずらすのも1つの方法です。ある程度自分の演奏スタイルに合わせて、微調整するのも自作ギターの醍醐味の1つであります。基本は等間隔に溝を付けることですが、多少の変更は構いません。

溝の向きは平行のもありますが、ペグからの弦の方向に合わせて僅かに外側に向けます。これを行うには一端弦を張ってから調整する方がやりやすいでしょう。溝の深さは1~3弦は弦全体が隠れるくらい、4~6弦は3分の2ぐらい隠れる程度を目安とします。

ナットのヘッド側は丸くラウンドさせて、弦の当たる接点を出来る限り少なくします。こうすることによって雑音が減少しクリアーなサウンドが得られます。ナットの接着は取り替えることを考慮して、瞬間接着剤を使用します。下側とフィンガーボード側に1滴程度を付けてすぐ接着します。ナットの最終調整は弦を張ってから行います。この段階ではまだ接着しないようにします。