Question NO.13
ニトロセルロースラッカーの特徴は何ですか

Answer
ニトロセルロースは綿の繊維又は木材繊維を原料として作られた天然繊維であり、木材との相性が良く、よくなじみます。又、屈折率が木材と近くて高い透明性があり、光沢も良いです。しかし、ニトロセルロースだけでは膜厚が薄くなるので、相性の良い合成樹脂、可塑剤を混合し塗料としています。ニトロセルロースラッカーの特徴を下記に記します。

<長所>

1.
溶剤揮発のみで乾燥する1液型塗料であり取り扱いが簡単です。

2.
乾燥時間が約30分と速く、2液型ポリウレタン樹脂塗料が常温で2~3時間掛かる間に次の工程に移れます。

3.
乾燥塗膜は透明度に優れ、着色・目止めの色が鮮明に出ます。

4.
ポリウレタン樹脂塗料などの橋かけ形塗料に比べると、塗り替えや部分的な補修がやり易いです。部分的な補修や旧塗膜の上に再塗装する場合は、軽い研磨で再塗装することが出来ます。

<短所>

1.
固形分(不揮発分) が少なく、一度に付く膜厚が薄くなります。ニトロセルロース溶液そのものの粘度が高いので、塗料とするためには大量の溶剤を使用します。又、使用に際しても、通常の上塗りであっても70~100%程度にシンナーで希釈して使用します。

2.
ブラッシングを起こしやすいです。

3.
乾燥塗膜であってもラッカーシンナーで再び溶けます。

4.
耐摩耗性、耐候性などに欠けます。木工用としてニトロセルロースラッカーが使われる最大の理由は木材との相性が良く、木質感を活かせることです。磨耗しやすいですが、塗膜のキズも自然になじんできます。硬くてやや冷たい感じになるポリウレタンやポリエステル樹脂塗料の上塗りに使う事も多いです。

この仕上げはラッカーの柔らか味のある特徴を生かすとともに、膜厚を少ない塗り回数で得ることが出来、ポリウレタン樹脂塗料でしっかりと素地を固めることで塗膜の耐久性を増します。又、着色剤の上塗り塗料へのブリードを抑える事が出来ます。