Question NO.18
色むらの原因と対策について教えてください

Answer
色むらは素材から生じる場合と着色剤の性質や使い方などによる場合があります。原因と対策を以下に記します。

<素材が原因の場合>


被塗物が油やほかの付着物で汚れていると、はじかれて着色剤が均一に付かなかったり、汚れの色やシミに残ります。水やシンナーや研磨で除きます。


被塗物が水にぬれると部分的にけば立ち、着色が部分的に濃くなります。全体を水で濡らして再研磨します。


加工状況が悪くかんなまくら、ナイフマーク、目掘れ、ささくれ、逆目、けば立ちによって生じた場合は、加工を改良します。


繊維に対して直角や斜方向にすりきず、ひっかきキズがあると、この部分に接着剤が入り目立ちます。又、圧迫した押しキズはその部分へ色が付きにくく薄くなります。再研磨か研磨で直します。


合板では接着剤が木目からにじみ出ていると、その部分に着色がされず目立つので、接着時点の改善を行います。


素地研磨が繊維方向以外の方向に行われたり、円形状であったり部分的に研磨紙の番手が異なると、表面状態が不均一となり着色むらとなります。繊維方向への均一な研磨で直します。


針葉樹は比較的吸い込みが激しいので、ハケ塗りを避け適度な濃度に調整したものをスプレー塗りします。


ナラ材などでは鉄分による黒ジミが発生することがありますが、3%シュウ酸溶液で処理します。

<着色剤又は塗装が原因の場合>


着色剤の耐光性が悪いと変色又は退色するので、耐光性の良いものに交換します。


染料着色剤は染料が溶解し木材に浸透しやすく着色むらを起こしやすいので、顔料着色剤に変えます。これで不十分なら着色方法をスプレー塗装、塗膜着色など工夫します。


着色剤を溶かしている溶剤と同じ系統の溶剤を使用した塗料を塗ると、ブリードしやすくなります。特に染料着色剤ではこの上にはけ塗りすることは難しく、スプレー塗りでも最初は薄く塗って色動きを抑えてから10~20分後に塗ります。


乾燥性が遅い希釈溶剤を使用したり、必要以上に塗布したり、急激に加熱乾燥したりすると、一度浸透したものが道管から吹き戻されて汚くなります。


塗膜着色は塗料粘度が低すぎたり乾燥が遅すぎたり塗布量が多過ぎると、平面に縁だまり、立面でたれが生じます。塗料の粘度調整に注意します。


木目への着色が不十分ではじかれた状態になることがありますが、それは素地着色にしていないために生じやすく、上記⑤と同じ理由によります。これはクローズポア仕上げでは生じません。


スプレーガンの整備不良によってガンむらになったり、着色濃度の濃いものを少ないスプレーガンの運行操作で仕上げようとすると無理が出ます。


塗膜が何かの原因で白ボケしたりすると色むらの原因になります。