Question NO.19
塗面が白くなる現象とその原因を教えてください

Answer
白化の原因はいろいろありますが、塗装直後5分くらいでなるものから、硬化乾燥後に少しずつ白くなることもあります。その原因と対策は次のとおりです。

<塗装直後の場合>


最も多く発生するのは、かぶり( ブラッシング ) で、高温多湿の環境でニトロセルロースラッカー塗装の場合などです。多量の溶剤が急に揮発すると、塗面が冷却され結露します。この時発生する水分が表面層の塗料を不溶解にし、つや消えと白化を招きます。対策としては

・ 塗装環境、乾燥環境を除湿
・ 塗装ブースや乾燥室の給排気を弱くして、急な溶剤揮発を防ぐ
・ 希釈溶剤に水と溶解するアルコール溶剤を混合する
・ ノンブラッシングシンナーを混合して溶剤速度を遅くする


コンプレッサーの水分や油分が塗料中に混入する場合もありますが、水抜きをこまめにするかドライヤーを通します。エアホースが長くなった場合は出来る限りスプレーガンの近い所で水抜きをします。

<経時の場合>


油性目止めやオイルステインの上に2液形ポリウレタン樹脂塗料を塗った場合など、塗料の乾燥速度の違いにより塗料の接触面で塗膜層のずれを生じたり、塗料同士の相性が悪いために白化します。塗料同士を良い組み合わせで使用します。


漂白した素材や高濃度のシュウ酸処理をした素材にポリウレタン樹脂塗料を塗装した場合、薬品の影響により白化します。薬品の後処理をしっかり行い白化を防ぎます。


ポリウレタン樹脂塗料ではサンディングシーラーの厚塗りと乾燥時間を短縮して次行程に進むと白化の可能性を高めます。塗料中に溶剤が何割か残ったまま硬化し、除々に残りの溶剤が揮発し、そこが空洞となって白化します。


ポリエステル樹脂塗料の塗膜を研磨した後、素手で触れてポリウレタンフレット仕上げをした場合は、後日指紋のような白化がでることがあります。これは作業者の汗の塩分が影響していることがあります。塩分はやがて潮解現象により体積が膨張し、塗膜を押し上げ空洞になり白化します。仕上げ塗装前の作業が終わったら、中世洗剤を入れたぬるま湯で拭き、その後は素手で触れず乾燥後に塗装します。