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ラッカー仕上げ~ワックス

(ラッカー仕上げ)
この仕上げには 硝化綿 (ニトロセルロース) ラッカーが多く使われます。成分の硝化綿は木綿やバルブなどの天然繊維を原料としています。木材繊維と馴染みが良く、乾燥形態が化学反応を伴わない溶剤揮発のみで乾燥します。透明感が高く何回塗り重ねても素地によく馴染むので、木質感が最終仕上げするまで反映します。こ木のぬくもりがそのまま伝わる仕上げに適し、ギターなどの楽器、伝統的な民芸家具、むく手作り家具などにも使われます。耐溶剤性、耐水性、耐熱性などの塗膜物性があり、補修しやすいことや塗り直しが容易な利点があります。

(リグニン)
セルロースに次ぐ木材の主要化学成分で、フェニルプロパン構造を基本とする無定型の橋かけのある高分子です。

(劣化)
木材の劣化は非生物的劣化と生物的劣化があり、非生物的劣化としては温度、湿度、光などによる自然劣化、熱に依る劣化があります。急激な熱分解と酸化による火災劣化は、木材の最弱点とされてきました。生物的劣化は微生物による腐朽、変色、汚染と昆虫や海虫による食害で、木材の強度低下や欠損、美観の損失をもたらしています。

(老化)
木材の老化は風雨、紫外線、荷重などの作用を排除して常温の大気中に置いた時に起こる材質の低下をいい、木材成分の緩やかな熱分解によって起こります。

(ワックス)
ワックスとは「ロウ」のことで、カルナバロウ (南米産のロウヤシの葉)、木ロウ、蜜ロウ、イボタロウ (イボタカイガラ虫の分泌物)、パラフィンなどがあります。ワックスには ①ロウを石油系溶剤で溶解した溶剤形 (油性ワックス) ②有機溶剤を使用しないエマルション形 (乳化ワックス) があります。又、撥水性のあるシリコーン樹脂を主成分とするものもあります。主な用途としては素地や塗装面の保護、つや出し、撥水、チリやホコリの付着防止のために用いられます。磨きには柔らかいウエスで塗面や素地面に塗り広げ、次いで綺麗なウエスに換えて拭き上げたり、ポリッシャーに羊毛ボンネットをつけて艶を出します。