リペア実績 #0124

Gibson Hummingbird

全フレット交換 指板調整
岐阜県

今回はギブソンハミングバードの補修です。若い頃に入手され大事に扱われていますのでクラックなども殆どなく、程度としてはかなり良いギターです。オウナー様のこだわり部分としては、弦が「裏通し式」で固定されていることで、非常に珍しい方式が使われています。ではまずオリジナルのフレットを抜く作業から開始です。オリジナルフレットの形状は頭がフラット気味で低めでした。交換するフレットは丸みのある標準タイプで高さもオリジナルよりあるタイプに変更しました。これにより音の張りが向上したとオウナーさんから評価を頂けました。ネックが多少元起き気味でしたので、フレットを抜いた時に指板表面を削り、ネックの反りを修正しました。

まず、フレットを全て抜きます。極力指板がチップしないよう慎重に抜いてゆきます。

新しいフレットを打ちこむ前に指板をサンディングして、捻じれやへこみを極力減らします。

指板のねじれが大方修正できたので、目の細かいサンドペーパーでサンディング後、フレット打ちに入ります。フレット打ちこみ前にフレット溝を専用の鋸で綺麗にしておきます。

フレットを打ってゆきます。今回は交換前と同様、バインディングにフレットがかからない仕様にします。指板から飛び出さないよう一本一本指板の幅分の長さに削ってから打ち込みます。

フレットサイド処理に入りました。一つ一つ、フレットの両端を面取りします。エッジもやすりで丸めます。次はフレットすり合わせをします。弦を張って確認したバズポイントを中心に削り、頂点を揃えます

弦は「裏通し式」です。非常に珍しい方式でセットされています。細かい浮き等を確認して問題なければサイド処理に入ります。その後はスポンジやすりやスチールウールでフレットのキズを消します。コンパウンドで磨いたら完了です。Fret Buck というジグと使い、ハイポジションのフレット打ちを行います。

pagetop