リペア実績 #0166

Martin D37k2

ブリッジ作成 ナット・サドル作成 フレット全交換
京都府

以前、当方にてボディのラッカーリフィニッシュを行ったギターですが、今回はブリッジ、フレット、サドル、ナットの交換を承りました。一見してブリッジが割れ補修されていますが、再び割れる可能性も否定出来ない状況です。ですので今回新たにブリッジを作成して取付け直します。又、フレットの減りも強くなっていますので、これも今回全交換となります。さらにナット・サドルも交換し全体的なリペアとなります。オールコアという非常にレアで貴重なギターですので、これだけリペアやグレードアップを図っても惜しくないギターです。牛骨のサドル・ナットに交換しますが、象牙でもギター負けはしません。

まずはブリッジ交換から進めます。今付いているブリッジは厚みがやや薄く、横に亀裂が発生しているため、剥がして新しいブリッジと交換します。ラバーヒーターで熱を加えて接着剤を軟化させ、パレットナイフを差し込んで剥がします。

無事剥がし終えました。以前の補修の際に黒いパテが使われたようです。ボディとブリッジにびっしりと付着しています。続いて新しいブリッジの製作を行います。今回はハカランダ材で製作します。元のブリッジを参考に、形を整えます

ブリッジ接地面の面出し作業を行います。新しく作ったブリッジの外周に合わせて周りの塗装を剥ぎ、スクレーパーやサンドペーパーなどで表面を整えます。ブリッジの底面をボディの接地面に合わせて削り、その後接着します。このまましばらく置きます。

ブリッジ接着後、ドレメルを使ってサドル溝を掘ります。続いてフレット交換も行います。まずはフレットを抜き、指板面をサンディングで調整します

フレット交換続きです。指板調整後はフレット溝を新しいフレットのタング幅に合わせて修正します。

フレット打ち込みに引き続いてフレットサイドの処理です。角度をつけて面取りした後、やすりで丁寧にバリ取りをします。続いてナット交換作業に移ります。新しいナットを製作する前に元々付いているナットを外します。底面とナットスロットには紙が貼り付けられていました。

ナットスロットをノミややすりでクリーニングします。接着剤が多めに使われていたようで、スロット全体にびっしりと付着していました。ナットスロットのクリーニングに引き続き、新しいナットの製作を行いました。材料は無漂白の牛骨材を使用しました。ナットスロットに合わせ、底面には角度を付けてあります。

ナット交換に続いてサドル交換も行います。イントネーターを使ってオクターブピッチを確認します。材料はナットと同じく無漂白の牛骨材を使用して製作しました。

続いてフレットのすり合わせです。指板にマスキングをし、すり板を使ってフレットの頂点を揃えます。すり合わせ後、フレットの形状を整え、表面を鏡面に仕上げます。その他全体的にクリーニングを行って作業完了です。

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