リペア実績 #0241

Yamaha FG-440

ネックリセット トップ・バック膨らみ補修 ナット・サドル交換 フレット交換
愛知県

今回はYAMAHA FG-440のリペアです。マーチンで言うと000トリプルオーサイズの少し小ぶりなタイプです。1980年代くらいと思われるビンテージ感のあるギターです。リペア内容はネックリセット、トップ・バック膨らみ補修、ナット・サドル交換、フレット全交換など、かなり大掛かりな補修となりました。まずは専用クランプを使いトップ膨らみ矯正を行いました。数週間置いて効果が見られましたので、ネックリセット作業へと移ります。

指板をボディから剥がし、15フレット溝に開けた穴からスチームを注入して接着剤を緩め、治具を使用してネックを外します。ネックを外したすぐは、スチームの影響で木材が柔らかくなっていますので、古い接着剤の除去後、しばらく乾かしておきます。

仕込み角度の調整によりジョイントのホゾの効きが緩くなっていますのでマホガニーの薄板を接着して調整します。

はずしたネック側の補修を行います。指板裏に貼ったシムに合わせて周りにバインディングを接着します。乾燥後、整えて色合わせを行います。バインディング接着後、厚みや太さを整え、他のバインディングと馴染むよう染料で黄ばみを再現します。ボディ側は、角度修正・ホゾの調整をしたのち、ネックの接着を行います。クランプでがっちり固定し、しばらく置いて接着剤の乾燥を待ちます。

続いてフレット交換へと移ります。指板ダメージが最小限となるよう元のフレットを慎重に抜きます。指板面のRに合わせたRブロックでサンディングし、指板表面を整えます。新しく打つフレットのタングに対して指板のフレット溝が細いため、タングに合った厚みの鋸を使用して溝の修正を行います。20フレット分全て行い、フレット打ちに移ります。

指板調整に続いてフレットを打ち込みました。サイドはやすりで角を丸めておきます。次はナットをプラスチック製から牛骨製に交換致しました。音の粒が立つよう元のナットよりやや高さを落として加工しています。

ナットに続いてサドルも交換いたしました。牛骨材で作製し、弦高は12Fで6弦2.5mm・1弦2.0mmに調整しています。ピックアップL.R.Baggs Lyricの取り付けも承りました。元のエンドピンを外し、12mmの穴を開けてエンドピンジャックを取り付けます。お客様のご希望で、コントローラーはサウンドホール真上から見えない位置に付けてほしいとのことでしたので、木片を貼って高さを調整し、通常よりやや奥に貼り付け致しました。その他マイクやバッテリーポケット等を取り付けて完了です。

pagetop