リペア実績 #0109

Martin D35

ブリッジ交換 ネック反り補修他
東京都

ブリッジが綺麗に2つに裂けてしまったギターです。裂けめができて接着しながら使われたようですが、完全に裂けてしまったので、ブリッジの作成・取付けとなります。現状のギターの音は聴けませんが、補修後のサウンドはマーチンらしい繊細な音となってよみがえりました。

ご覧の通り、ブリッジが真っ二つに割れてしまっています。剥がして新しいブリッジに交換します。

温めたパレットナイフを使って慎重にブリッジを剥がします。

剥がした後のブリッジです。過去の補修の際にエポキシ系の接着剤が使用されていたようで、剥がす際に表板のスプルースがかなり持っていかれてしまいました。

スプルースがめくれ上がっている箇所をタイトボンドで接着します。広く欠けた箇所は周辺をドレメルで掘り、同じスプルース材を切り出して埋め木しました。

補強のためブリッジプレートにプラグを埋め込みます。専用工具を使用してローズウッドの端材からプラグを作成しました。ブリッジプレートのピン穴周りをプラグの形状に 合わせてくり抜き、プラグを裏から接着しました。

クランプで固定して一日硬化させます。ブリッジプレートの補強に続いてトップのピン穴も補強しますスプルースの端材からプラグを切り出しました

ブリッジプレートの時と同様に、ピン穴周りをプラグの形状に合わせてくり抜き、プラグを接着しました。ほぼ平らになった所で、際の部分をピッタリにするため一旦マスキングを剥がし、ブリッジの現物を合わせながら削ります。

デザインナイフや大小様々なサイズのパット等を駆使して凹凸をなくします。

続いてフレットのすり合わせです。指板にマスキングをし、すり板を使ってフレットの頂点を揃えます。すり合わせ後、フレットの形状を整え、表面を鏡面に仕上げます。その他全体的にクリーニングを行って作業完了です。

ブリッジ接着面のサンディングが完了しました。交換用のブリッジの厚み調整や艶出しを行いました。表面は亜麻仁油で仕上げ、自然な艶を出しました。

新しいブリッジをボディに接着します。

続いて新たにサドルを作成します。幅や厚みをブリッジ溝に合わせ、上面は指板Rと同じに削ります。

その他ブリッジピン穴の調整も合わせて行います。ネックの順反りが見られたため、調整を行いました。今回、トラスロッドはノンアジャスタブルのためネックアイロンを使用します。反りの強いローフレット側に合わせてクランピングしました。

一度弦を張って状態を確認し、サドル高を決定します。サドル溝調整、サドル作成を行い作業完了です。

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