リペア実績 #0139

Yamaha L-10

トップ膨らみ・割れ、ネック反り他
長野県

当初ご依頼のリペア内容はもう少し少なかったですが、ギターが届いてからギターカルテを作成し、オーナー様に提案して今回の補修内容となりました。

今回はトップの膨らみ矯正、トップ割れ補修、サドル交換、ブリッジ割れ補修等をご依頼頂いたので順にリペアしてゆきます。トップの膨らみ矯正は数日前から着手しており、専用治具を用いて矯正済みです。作業前と比べると膨らみがかなり軽減されました。続いてトップの割れ補修です。まずは割れ部分に水で薄めたタイトボンドをすり込み、クランプを掛けて固定します。その後にクリート(割れ止め)の接着を行います。スプルース材で作成した クリートにタイトボンドを塗り、割れ部分に接着します。固定には強力マグネットを使用しました。このまま固着を待ちます。

続いて ブリッジ割れリペアを行います。ピン穴付近に割れが見られます。エボニーブリッジですのでエボニーの粉を割れ部分に盛り、その上から低粘度の瞬間接着剤を流し込みます。乾燥後、盛り上がった部分はスクレーパーややすりなどで削り取り、周りと平滑にします。サンドペーパーで全体的に軽く磨き、最後に保湿のため亜麻仁油を表面に塗り込んで完了です。

次にトップの塗装割れリペアとサドル交換を行います。トップの塗装割れ部分にはラッカークリアを塗り重ねます。サドルは牛骨の漂白タイプで作ります。元々付いていたサドルがサドルスロットに対してかなり緩い状態でしたので、同じ素材で作り直すこととなりました。まずはスロットにピッタリ嵌るよう横幅を調整します。その後上面を最適な高さまで削ります。高さを合わせたら、オクターブピッチが合うようサドルの山を整形し、表面を磨いて完了です。

続いて塗装割れタッチアップ続きです。ラッカーが乾燥しましたので、乗せた部分と周りが平滑になるよう研磨し、バフで全体的に磨き上げて全ての作業が完了です。弦高は12Fで1弦2.0mm、6弦2.5mmで調整しました。

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