リペア実績 #0221

Gibson L48

ブレース取付け バインディング交換 全体クリーニング
香川県

かなり使い込まれたギブソンの1950年代? のピックギターです。ビンテージに相応しい風格があります。今回はギター内部のブレーシングが剥がれて欠品しているとのことで、ブレースを作成して接着します。このギターはFホールでフォークタイプのようにサウンドホールが無いので、裏板を一旦剥がしての作業となります。バインディングは経年変化で割れや欠損していますので、この機会に裏側のみ新しいバインディングに交換します。

まずはボディ裏のバインディングの状況を確認します。経年変化でバインディングは割れや剥がれが進んでいます。

今回は裏板を外す前に、裏側のバインディングをカッター等で切れ目を入れながら慎重に剥がしてゆきます。

バインディングは樹脂で出来ていますが、古いため劣化してポロポロと簡単に割れるところもあります。良い状態で剥がせられれば、オリジナルのバインディングをそのまま使うことも視野に入れていましたが、この状態では不可能ですので、取付には新しいバインディングを使います。

裏側のバインディングを外してから、裏板を剥がし内部の状況を確認します。オーナーの言われる通り、ブレースが1本無くなっています。以前に剥がれたブレースをエフホールから取ったということです。その部材は無くなってしまっていますので、今回新たに作製して取り付けとなりました。作製に当たっては隣のブレースを参考に、形状は殆ど同じものを作りました。

裏板を外す際にボロボロになったライニングが取れていますので、ここも後でしっかり補修しておきます。

ペグはクルーソンの3連タイプです。古いギターの割にはギアのすり減りが思いの他少なく、比較的滑らかに回せます。

ヘッド周りにキズが見られキズが木地にまで達している部分は補修して目立たなくします。

トップは大きなキズはありませんが、液体が流れた跡や中程度のキズがありますので、表面を軽く整え、ラッカーを塗布します。

Fホール周辺は木地が見えている部分がありますので、着色して目立たなくします。

エンドピン穴がずれていましたので、一旦穴を埋めてから中央に付け直します。

テイルピースはオリジナルのままですが、汚れてザラザラしていますので、クリーニングします。

ピックガードは汚れていましたのでコンパウンドで磨きます。劣化がそれほど進んでいなかったので、多少の弾力がありました。劣化が進むと硬くなり割れやすくなるので、作業に注意が必要です。

サイドは塗装が剥がれている箇所が多く、そのままではさらに塗装が剥がれてゆく状態だったので、オーバーラッカー処理を施しました。

ネックはヒール部分に塗装剥がれ、グリップ部分にも塗装剥がれがありましたので、オーバーラッカー処理しました。

バックは比較的綺麗な状態でしたが、部分的に小さなキズがありましたので、補修しました。

塗膜はかなり薄いので、艶出しの磨きは慎重に行います。とても古い塗装ですが、磨くとツヤが戻ってきます。

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