リペア実績 #0232

S.Yairi YD-302

トップ塗装 ナット・サドル交換 ネックアイロン調整 ピックガード交換
三重県

かなり弾き込まれていて、恐らく1960年代と思われる、純国産S.Yairi YD-302です。今回はピックガード交換、トップ塗装、ネックアイロン調整、牛骨ナット・サドル交換を行います。

まずはピックガード製作からです。オリジナルはティアドロップ型のピックガードが貼られていましたが、現在は左右両方に大きめのピックガードが貼られています。これら2枚を慎重に剥がしボディに残った粘着を除去します。今回はオリジナルシェイプのピックガードに変更します。オリジナルのピックガード跡に合わせて外周を罫書き、黒のピックガード材を切り出して製作します。サンダーやスクレーパーを使い、ムラが残らないように塗装を剥がします。

次にトップのサンディングを実施します。しっかり生地サンディングしてピックガード跡も無くします。しっかり素地調整して塗装が出来る状態に整えます。荒めのサンドペーパーで表面の凹凸を無くし、目の細かいサンドペーパーで滑らかに整えます。

素地調整と並行してナット交換も進めます。漂白の牛骨材で新たに製作します。スロットに合わせて形を整形します。底面は角度付きスロットですのでナットの底面にも角度を付けます。

ピックガード接着面等、ボディトップのスプルースが欠けている部分がありましたので、表面にパテを盛って段差を埋めます。一日以上置いて、スクレーパーやサンドペーパーで均して、平らにします。この後、下地塗料の吹き付けを行います。トップにサンジングシーラーの吹き付けを行いました。塗料の乾燥後は、サンドペーパーで表面を水研磨します。この後、さらに数回のサンジングシーラー吹き付け、クリヤーの吹き付けを行います。肉持ちを良くするためサンジングシーラーの吹き付け、乾燥後研磨を数回くり返します。数回吹付&研磨を行ったことにより、表面の凹凸が殆ど埋まりました。下地が完了しましたのでクリア塗装へと移ります。

シーラー吹付に続いて次は着色を行いました。ウレタンクリアをやや飴色に調色し、スプレーガンで吹き付けます。乾燥後、表面の研磨・艶出しを行います。塗装の次はネック反りの修正を行います。このギターはアジャスタブルトラスロッドが入っていないモデルですので、アイロンを使用して矯正します。

並行して製作中のピックガードは外周を整え、エッジを軽く面取りして仕上げました。そしてトップを磨き上げた後に貼り付けます。トップコートの吹付に続いて塗面の研磨に入ります。ブリッジの形通りに塗装を剥ぎ、サンドペーパーを張り付けた当て木で接着面出しを行います。水研磨で表面を均し、バフ掛けをして仕上げます。トップのバフ掛け後は外していたブリッジの接着作業に入ります。 ブリッジの形通りに塗装を剥ぎ、サンドペーパーを張り付けた当て木で接着面出しを行います。

ブリッジの接着面出し作業後は、タイトボンドを使用してボディとブリッジを接着します。クランプでしっかり固定して、数日間置いておきます。リッジ接着に続いて製作したピックガードの貼り付けとナット交換を行いました。ナットは牛骨の漂白タイプで製作しました。ナット交換に続いてサドル交換を行いました。こちらもナットと同じ漂白の牛骨材で製作しました。弦高は12Fで6弦2.5mm、1弦2.0mmになるよう調整しました。

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