Question NO.3
針葉樹は年輪幅が広くなるほど軽くなり、広葉樹は硬くて重くなるのは何故ですか

Answer
四季がある地域では春には活発な生長活動を行い、短期間に多数の木部細胞を形成します。この部分を早材といいますが、春から夏に季節が移ると若芽や葉の増加が止まり、細胞は減少して重硬な材となります。この部分を晩材といいます。秋と冬の時期には生長活動は止まっていて材は太りません。この繰り返しにより針葉樹では明確な年輪が認められます。

針葉樹では生育状態の良い木や若い木は早材幅が広くなりますが、晩材幅はほぼ一定で、年輪幅が広い材ほど軽く軟らかい材となります。一方、広葉樹は道管が集中する部分の幅は樹勢にあまり影響されずほぼ一定であり、道管が多く軽軟です。晩材部分は道管が少なく、木繊維が大部分を占めて重硬です。そのために、成長が早い広葉樹では針葉樹と反対に重硬な材となります。

又、年輪幅が極端に狭く成長が遅い広葉樹は、孔圏部の締める割合が高くなり、ぬか目材と呼ばれる軽く軟らかい材となります。このぬか目材は道管が多いので、木目がよく現れ、加工もしやすく狂いも少ないので、木工品には多用されます。